◆マスイ(作詞/作曲:井蛹机)
いつの間にか深く忍び込んだ針の痕跡
夜明け前に飲み込んだ苦い錠剤の副作用
指先から広がる鈍い痺れ
退化して行く手足
皮膚の下浅く寄生した異質の眠り
閉じてゆく瞼の裏に広がる
黒い水平線

冷めた水に身体を浸し
満ち潮の瞬間を
堅い二重の殻に包まれて 
深い眠りに落ちる

壁から染み出してくる潮の気配
傷口から溢れる膿の深い青
上昇する水位
傾いて行く地平
やがて海水の満ちた部屋で僕は
奇妙にねじれた水草をかき分けながら
暗い水底目指し降下してゆく

冷えた水深く肺にみたし
満ち潮の瞬間を
低く鳴り続ける鼓動を聞きながら
長い眠りに落ちる

三半規管を狂わせる深海の流れ
身体の奥深く響く、くぐもった声が
深海魚の数を数えている

◆廃園 II(作詞/作曲:ヂヂ)
壁に刻まれた無数の傷の規則をさがす
セロハンの灼けたカルテの中に奇跡をさがす
海辺の木々は姿を石に化える砲台
マッチ箱には月の欠片を隠す崩壊
四散の手足を徒につなぐ包帯


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